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この作品の魅力は沢山あります。キャラクター、ストーリー、文章、構成などなど。その中でも世界観は他の追随を許さないほど完成しています。その世界で登場人物は、一人残らず息をしているのです。魅力的でないはずがありません。悪だの正義だの、愛だの友情だの、そんな生ぬるい言葉ではなく、ただ人間らしい生臭さがそこに存在しているだけ。それゆえに目が離せなくなりました。
舞台は中世ヨーロッパによく似た架空世界ですが、話の趣はファンタジーというよりも歴史小説、国際政治小説です。全体として流れているのは、弱肉強食の中世ヨーロッパの外交・安全保障が醸し出す緊張感と高揚感、そして力の不足ゆえに、支配を受け入れながらもできるだけ被害を最小限度にとどめることを選択した者の苦悩と葛藤、横暴な支配者に対する軽蔑と憎悪と反発の一方で生まれる微妙な信頼と協力の関係、逆にあくまでも敵わない相手を拒絶する者の必死の抵抗と敗北です。その中で、メインとなる2人の男性キャラクターの敵方の司令官と副官は、通常なら悪役がふさわしいような性格でありながら、魅力的です。
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